サマープログラム96

今回はプログラム開始の2、3週間前になって急に芝浦工大からの連絡で行くことになり、昨年のように前もってプログラムを準備する時間もなく、学生達にとってはかなり戸惑いもあったようだ。結局、プロジェクトはVicoの村に必要な、かなり現実的なものになった。このあまりに現実的で身近なプロジェクトにかえって学生達は当惑していた感さえある。これまで慣れたコンセプチャルな考え方だけでは何とも歯が立たない自然と、日常生活を相手にしなければならなかったからだ。週1、2回のコレクションで進む者もあれば、当然やり直す者もある。ドリンスキーと私と学生の間で英語と日本語とが飛び交っていた。

 

 最終的に、各自プロジェクトをまとめて発表した。今年のジュリーにはコモの建築家のテラーニ女史にゲストとして招き、SCI-ARCのディレクターのM.ワーグナー、芝浦工大の大内教授、ドリンスキーと私で彼等のプロジェクトを学生を交えて討議した。いつでも、どこのジュリーでもそうだが、プロジェクトを指導したものと初めてプロジェクトを見る建築家とのやり取りは合意点を得られるか、否か、議論は白熱する。学生もそんな討議の中に入り込む機会であるのだが、コミュニケーションの上で学生達にはまだまだ問題があり残念な限りだ。

 

SCI-ARCからはSCI-ARCの創立者の一人であるカピー教授が来ていた。学生たちは18人で半数以上がアジア系の学生で、ベルリンのプロジェクトをやって何とも不思議な展開であった。彼等が多所帯のため製図室を全て占拠して、芝浦工大の学生は1階のギャラリーに降り、両者の会話に距離があったことは否めない。

 

 

01

02

03

04

05

06