第三室は広島の消防署と函館の大学のプロジェクトで、広島のプロジェクトは500分の1のかなり広範囲の模型が床に置かれ、その模型に計画や空の変化、その他の映像と説明が時間の変化と共に流れるように映し出される。見ていて非常に小気味良いインスタレーションである。函館のプロジェクトはテーブルを大きなコンピューターの画面に見立てて、マウスを操作することによって平面や断面はもちろん、三次元のコンピューター画像、更に工事の進行状況が日ごとに見られる。

 

二階の展示はクロスの掛かったいくつかのテーブルが並べられていて、その周りにレストランのように椅子が並べられている。各テーブルの脇の壁にはプロジェクトのタイトルが映写され、テーブルにはスライドが映し出され、見る人はテーブルにある2つのボタンによって画像の進行を操作できる。更に各映像に加えて、音響効果が施されている。

 

 今回の展覧会は訪れるものに参加を求める状況を作っている。建築が眺める物ではなく人間の環境を設定するものであるように、展示物を見せるのではなく体験させる。これはまさに環境設定としての建築を目指している彼らしい表現である。唯一、床に置かれた模型も決してそれ自身を見せるために作られているのではなく状況説明の手段でしかない。展示というよりもむしろインスタレーションである。デッサン、図面、模型といったいわゆる物の展示に対して展覧会の形式を問うものである。ビエンナーレを訪れた時に見た空間を物で或いは音で埋めようとしている若いアーティストの展示作品とは対照的である。

 

 

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