この文章を書いている間にフランスがワールドカップで優勝した。開催国であるという以外にフランスのチームは取りたてて話題に上らなかった。チームにスター選手がいない為か、特に強いという印象は誰も持っていなかった。個人のプレーよりもチームプレーが勝因のようだ。なぜこんな話を出したかというと共通したアノニム性を感じるのである。アメリカ、日本のように消費社会の世界ではスターを求めている傾向があるが、実のところ社会が既に必要としていないのではないか。ペローはその点が明確である。彼が目指すものは一世代前の建築家達のような個人の表現よりも、建築を組織していくことのようである。これは社会が求めているものに対する彼自身の解答といえる。個人の才能に苦しむよよりも安定した組織力とロジックによる建築が求められていて、彼はそれに答えられるキャパシティーがあるし、自分のプロジェクトを相手に説き伏せる手段も身につけている。

 

彼のような建築家はフランスではこれまで無かったタイプである。

 

 

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